遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

整地では滑れるのに不整地では滑れないのは自分でエッジを立てているからではないか(スキー)

ボコボコの斜面で疲れ切ったところがスタート地点

先日の札幌国際は、圧雪の後に降雪。気温が高かったので重めのパウダーでした。サイコーのパウダーはすぐに食われ尽くしボコボコに。太ももの筋肉はすぐにファイアーしてしまいました。次の日も約束が、疲労も抜けないままキロロへ。もはや一本目から、太もも筋はファイアー。このまま、何時間も滑ることを考えると顔は笑顔でしたが、心は途方にくれていました。

 

「疲れ切ったところがスタート地点」

体育会で育った自分は、極限の状態こそが学びのチャンスということを体感していますので、その日は「手を抜いてしっかり滑る」をテーマにしました。シゴキとも言えますが(笑)

 

スキー板を「真下」に踏んだら曲がる

その日、キロロも下のリフトは圧雪がきいていましたが、ゴンドラにいくと前日の国際と同じボコボココンデション。心がバキっとおれそうでしたが、とにかく簡単にスキー板を回転させれる方法を探してみました。

 

最初は、エッジを傾けたい、回転させたいと、外足の荷重がなくならないように、体を捻じってみたり、足首やヒザで傾けてみたりしました。しかし、ボコボコの斜面ではうまく行かず疲労は蓄積するばかりでした。その後も同じようなことを繰り返していましたが、偶然、簡単にスキーが回転した瞬間がありました。おやっと思い、その瞬間のことを思い出しながら試してみると、スキーを自分で傾けないで、スキーブーツのタンをつぶすように外スキーの真下に力をかけると簡単にスキーが回転していることがわかりました。これは、急斜面でも緩斜面でも、ショートターンでもロングターンでも同じでした。

 

何がおきるかを、ちょっと理論的に考えてみる

スキーが雪面と足の裏に挟み込まれて、スキーにかかる摩擦がスキー板の中で偏った時にスキーは回転を始めます。また、雪は柔らかいですし(アイスバーンでも)、斜度があるので、外スキーの内側半分を押さえる動きを強めていくと板は、スキーが傾いていきます(エッジアングルが大きくなっていきます)。つまり、自分でエッジアングルをつけなくても、外スキーの内側を真上から踏むとエッジアングルが大きくなっていくということです。

 

感覚的には外スキーの内側を意識する必要はありません外足で片足立ち(内足は揃えて持ち上げる)をして、荷重をするようにヒザを曲げていくと勝手に母指球のあたりに重心が移動すると思います(意図的に、小指側に重心を残そうとすると上半身が小指側に移動してバランスをとろうとするので、それはしないように)。真上から踏めば母指球つまり外足の内側に力をかけることになるのです。

 

今までは、自分でエッジを立てようとしていました。そうすると、遠心力とのバランスを一度崩してから、再度バランスを復活させるような動きとなります。一方で、板を真上から踏む動きは真上から踏み続けることで自然とエッジに傾きが生まれるので、バランスを保ったままエッジのアングルが大きくなることになります。

 

整地であれば、自分でエッジを立てる動きをしても、再度バランスを復活させるのは自然に行えます。しかし、不整地では、バランスを復活させる前にバランスをさらに崩されてしまう可能性が高くなります。

 

自分もそうですが、整地であればきれいに滑れるのに不整地になるとうまく滑れなくなるというのはエッジを自分で立てる動きでターンをスタートするか、スキーを真上から踏み込んでターンをスタートさせるかの違いではないかと思います。

 

やってみるとスキーもそろう

実際に、外スキーを真上から踏み込んでターンをスタートさせると、不整地でもバランス良くターンができました(カービングになったりズレたりはコンディションによって変わる)。さらに、外スキーを真上から踏み込んでエッジアングルがついていくとき、内足を真上に持ち上げる(持ち上げられる)と、内足も雪面との圧を保ったまま、スキーが揃ったままターンができました。エッジを自分で立てようとすると内足のエッジに乗りすぎたり、内足でバランスをとろうと外足だけ傾いたりします。外足で真上から踏んでターンをする、内足は真上にあげられる。この動きであれば、スキーがバラバラになることは考えにくいです。

 

外足を真上から踏む動きをどう達成するか。

 

これを身体の動きの良し悪しを判断する基準にすることで、自分の動作をチェックしながら上達できるのではないかと思いました。