遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

ヒールターンの謎をやっと解明できた①

ヒールターンは霧の中。みなさんはどうですか?

トゥからヒールへ。上手い人は滑らかに切り替えて、お尻が雪面につく程低くなりながら雪面を切り裂いていく。その滑った後にはズレた後はなく、深く刻まれた一本のラインが残っている。

 

そんなヒールターンを目指して、試行錯誤しながらカービングの練習を続ける。でもどんなに頑張ってもズレる。カミカミの神バーンで緩斜面なら一本のラインになるのだけど、ちょっと急になったり、バーンが荒れてきたりすると、エッジがかんでくれない、ターン後半ではガガガとなる、なんて悩みを持つ方は多いのではないかと思います。

 

Youtubeで上手い人のライディングを何度も何度もチェックしてみても、どうしてそんなにエッジがグリップしていくのかわからない。自分と何が違うのがわからない。特に谷回りの部分なんて、??????????っという感じでした。

 

これは自分が20年間ずっと抜け出せなかったところでした。途中でヒザが痛くなったし、うまくいかなくてスノーボードを辞めたくもなりました。そんな自分の悩みは関係なく、うまい人は簡単にカッコよく滑っている。小さな子どももカッコいい。。。ヒールターンは霧の中。霧が晴れるのはいつのことか。このように、悔しい思いを続けてきましたが、やっと、ヒールターンの霧が晴れたので報告します。

 

ヒールターンの3つのポイント

できる人とできない人のギャップを以下の3つのポイントに絞って説明します。今回はを説明します。1、2、3は手順でもあります。これらを順に行うことでヒールターンが改善できるように説明しようと思います。

 

  1. アプローチ:斜滑降のないターンのイメージだと難しくなる
  2. 角付け  :角付けの動作はわかりにくい
  3. 荷 重  :ターンを「自分」でまわろうとしない

 

ちなみに自分のスタンスアングルは、前24度、後-6か0度です。ボードは、Jones snowboardsのAviator2.0です。カービングの皆さんのような前振りでもありませんし、カービング用のハンマーヘッドでもありません。プレートはいれていません。身体が非常にかたいので、ダックスタンスで身体を捻じって前を向くこともできません。関節への負担を少なくして、パウダ―でもコブでもアイスバーンでも急斜面でも、どんな斜面も安定感のある気持ちの良い滑りをしたいと思っています。

 

アプローチ:斜滑降のないターンのイメージだと難しくなる

 ゴリゴリのカービングターンをする方の軌跡を見たり、動画や本等の解説を見ると、「つ」の時(下の左図)や「半円」(下の中図)でターンを表現していることが多いです。これらを見ると、エッジを切り替える場所が、斜度に対して切れ上がる(もしくは斜面を真横に横切る)や半円と半円がつながる点のようなイメージになってしまい、エッジを切り替える場所である斜滑降のラインを忘れてしまいやすくなります。

 

ターンとターンの間には斜滑降の時間が大なり小なりあります。超上手い人の切り替えや弧の小さなターンだと、その時間がとても短く斜滑降が無いように見えますが実際はあります。リーンアウトと言われているのはこの斜滑降の部分と思います。自分はトゥサイドでエッジに乗りやすかったので、ターン後半で必要以上に切れ上がってしまっていました。その結果、ヒールへの切り替え(角付け)が上手くいきませんでした。おそらく、ヒールが上手くいかない人で、トゥに乗りすぎる人は多いのではないかと思います。まずは下図で、ターンとターンのつなぎ目の斜滑降(下の右図:重要!!)を確認して、これがヒールターンのアプローチとなるイメージをつけてください。ここを変えるだけでも、ヒールターンはかなり簡単になります(実際になりました)。

 

斜滑降によって、トゥターンで生まれた回転力を減少させ、ポジションをリセットして、ヒールターンの導入をシンプルにすることができます。上手くなってくると、トゥターンの回転力をつかってヒールターンの導入を行うことができます。しかし、最初からそれを目指すと、動きが複雑になってしまいますので、最初は斜滑降をしっかり行ってヒールの角付けや荷重の方法を習得した方が近道だと思います。

ターンの軌跡(左:つの時、中:半円接続、右:斜滑降付き)

 

斜滑降をもう一度確認しましょう

斜滑降でテールがズレて斜面下方向に落ちてしまうと次のターンに入る前に、意図せず切れ上がってしまい、ヒールターンへの切り替えがスムーズではなくなってしまいます。ショートターンのように反発を得られるようなスライドなら問題ありませんが、そうでない方は一度、斜滑降の方法も確認してください。

 

斜滑降のポイントは前足の荷重と胸の向き(後足の荷重とバランスのため)です。下図はトゥターンから斜滑降でヒールターンに向かう場面です。左図のライダーは手前に進んでいます。まずは、胸がこちら(斜面の横方向)を向いていることに注目してください。中図はライダーを斜面下側から見ています。上半身が前足の上にあり、胸の向きがフォールラインと平行になっています。この姿勢になると、前足の母指球あたりでしっかり荷重ができます。また、後足の荷重も保てます。トゥサイドは後足荷重が簡単で、前足荷重が難しいと思います。この姿勢になれば、ワンフットでも斜滑降ができます。緩斜面でワンフット斜滑降ができるかどうかは斜滑降の質の確認になります。最後に、右図は真上から見たものです。ボードと胸の向きを確認してください。ボードは斜面に斜めに、胸は斜面の横方向を向いて、ボードと胸の向きにはズレがあります。ボードがすでに斜めになっていて、ビンディングの角度もあるので、股関節と腰を少し前に向けるだけでもこの姿勢になれますカービングのために、ノーズ方向に胸を向けるように説明する方がいますが、おそらく、このような姿勢をとった時に感じる感覚を説明しているのではないかと思います。ビデオ撮影した自分の姿が自分の抱くイメージと違うように、感覚と実際は違うものです。ここは混乱しないようにしましょう。右図にある胸の向きとボードの向きのギャップは、先行動作にもなり角付けを助けてくれます。また、詳細は別の機会に説明しますが、遠心力を活かして荷重を簡単にしてくれます。

 

ヒールサイドのための斜滑降の姿勢

次回は角付け

次回は、「角付け:角付けの動作はわかりにくい」を説明します。まずは、アプローチの斜滑降を是非確認してみてください! 

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