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ハイシーズン雪と春雪の滑りでどこが違う?

今年は雪解けが早く感じます。3月半ばの時点でいつのも4月のような雰囲気になってきました。今後、温暖化が進めば、ハイシーズンの良い雪が短くなり、春雪のような悪雪で滑る機会が増えるのではないかと思います。

 

コロナ期間に冬の仕事を減らしたおかげで、この3年間はみっちりと滑りました。年間70-100日くらい(笑)特に昨シーズン、雪の練習をかなり行ったので今年は、春雪でもあまりひどくならず滑れています。そこで振り返りがてら、一度ハイシーズンの雪と春雪の滑り方のどこが違うかを考えてみようと思います。

 

ハイシーズンの雪と春雪の滑りの違い

上手い人にとって、ハイシーズンの雪も春雪も関係ないとは思います。ハイシーズンの雪はグリップが良いので、変なこと、余計なことをしても支えてくれる、助けてくれるというのが春雪と違う点と思います。つまり、変なことや余計なことをしない方は、ハイシーズンの雪も春雪もあまり変わりなく滑れるということではないかと思います。

 

では、その変なことや余計なことは何か、①角付け、②荷重、③ローテーションをキーワードに考えていこうと思います。

 

①角付けはノーズ方向斜めに重心を移動させて行う

角付けはターンのスタート地点で、ここが上手くいけば80%くらいは成功と思います。この時の重心バランスが春雪でのポイントではないかと思います。ボードをたてるためには、重心をエッジ方向に移動させるための動作をします。ただ、ボードをたてたいという意識が強くなると、重心をボードと垂直な方向に動かしたくなります。重心は、便宜的にミゾオチと思ってください。垂直方向に重心を動かすと、サイドカーブだけのターンになりやすく、春雪のような柔らかく反発のない雪では、サイドカーブが充分に撓まず、エッジがグリップしにくいので、ターン弧を描けなくなります。ではどうするか。ドルフィンターンをイメージしてもらうといいと思います。ドルフィンターンでは、重心をボードから外しすぎず、ノーズ方向に若干斜めに素早く重心を移動させています。このようなイメージで、トゥは前足の小指で荷重できる位置、ヒールは前足のカカトの前半分で荷重できる位置を意識すると、ノーズで雪面をとらえて、徐々に雪面を掘って、足場をつくっていけると思います。

 

②荷重は横からではなく上から、パンピングのように

ハイシーズンなら荷重しなくても支えてくれるくらいグリップがいいですが、春雪は反発が得にくいので、荷重をしっかりしないと足場ができません。スピードがあれば軸を倒すだけでもいいかもしれませんが、雪面にエッジが刺さるだけになる可能性が高まります。先ほども述べましたが、春雪は崩れやすいのでボードが撓みにくいです。ハイシーズンであれば真横から荷重をしても撓んでくれますが、春雪では、ノーズに雪をしっかりあてて撓みをつくるイメージの方が安定する気がします。この時に、ボードを足首等のローテーションでターン弧にあわせて走らせると、足場のできが良いように思います。これもまたドルフィンターンのようなイメージです。身体でボードを回転弧にあわせて走らせるようなパンピング動作で荷重できると安定感と走りがよいと思います。

 

③ローテーション

ローテーションは、うまく使えば②の荷重とあわせてボードが走ります。しかし、足場がない状態でローテーションするとカービングにはなりません。春雪は崩れやすいので滑走するための雪面を自分でつくる必要があります。ローテーションはスライドさせるための回転力としてつかうのではなく、回転力を足場をつくるための力として使うようにするといいかと思います。②の荷重でも述べましたが、ローテーションとパンピングを組み合わせるように使うといいと思います。角付けがうまくいっていなかったら、ローテーションしてもスライドしてズルズルするだけなので、角付けの深さや安定を確認してからローテーションをするといいと思います。角付けがうまくいっていなければローテーションは弱めて浅めのターンでリカバリーしましょう。

 

まとめ

春雪では影響が大きい動作と対応を記載してきました。ひとつまとめると、とにかく重心移動を過度におこなわず、横からではなく上から荷重。ローテーションも角付けとあわせて、足場づくりに使うと良いかと思います。逆のこと。重心移動を横に大きくする、角付けが弱いのにローテションを使うと、ハイシーズンの雪ではなんとかなりますが、春雪は助けてくれないという結果になることと思います。

 

振り返りとして思い付きで書いているところがあるので、もう少し春雪で研究したいと思います。みなさんが春雪を楽しむうえで、何かの参考になればうれしいです。