遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

SUPサーフィンは、やっぱり別の場所でお願いしたい

久しぶりに日本海に波があがり、しかも海に入る時間もあった。9時から用事があったので、それまでにと心を躍らせながら海に向かった。

 

海を見ると、ポイントブレイクのポイントに結構な数のサーファーがいた。その中に一人SUPサーファーがいた。そこのローカルだ。

 

正直、その人を発見した瞬間、いやーな気分になった。SUPならもう少し奥のポイントまで行けば、普通のサーファーとは別のピークでできるのに、なんでわざわざ混雑したところでやるんだろうっと。

 

自分は人が多いときは少し離れてポジショニングする。毎回そうだが、そのSUPサーファーは機動力を活かして動く。ピーク、サイドいろいろと動く。おそらくどピークで乗っているサーファーは気にならないだろうが、少し離れてポジションニングをしている自分には、すぐに目の前にくるので本当に怖い。怖いというのも、そのSUPサーファーは前を見て漕がないのだ。基本的に普通のサーフィンの延長で、波しかみていない。さらに横に移動しながらのるので、パドルスピードが遅い自分には脅威だ。

 

頼むから近くにこないでくれーーー。っとレギュラー側からグーフィー側に自分が逃げても、機動力があるのですぐに近づいてくる。いやがらせかと思いたくもなる。

 

そんな状況でつまらなくなって帰宅。なんとなくSUPのマナーを調べていると、自分のもやもやをうまく整理してくれている記事があった。すっきりした。

 

そう。SUPサーフィンと初中級のサーファーの場所は重なるのだ。言葉にしてくれて、ありがとうございます。

ameblo.jp

 

自分もSUPサーフィンをするが、サーファーがいるところでは入らない。おそらくその人は気づいてないだろう。ローカルだから自分だけはいいと思っているのかもしれない。一応自分もローカルだ。気持ちのいいサーフィンをしようとするなら、ローカルもビジターも関係なくうまくやっていきたい。

 

是非SUPサーファーの人には、上の記事を読んでもらいたい

 

 

 

ハイシーズン雪と春雪の滑りでどこが違う?

今年は雪解けが早く感じます。3月半ばの時点でいつのも4月のような雰囲気になってきました。今後、温暖化が進めば、ハイシーズンの良い雪が短くなり、春雪のような悪雪で滑る機会が増えるのではないかと思います。

 

コロナ期間に冬の仕事を減らしたおかげで、この3年間はみっちりと滑りました。年間70-100日くらい(笑)特に昨シーズン、雪の練習をかなり行ったので今年は、春雪でもあまりひどくならず滑れています。そこで振り返りがてら、一度ハイシーズンの雪と春雪の滑り方のどこが違うかを考えてみようと思います。

 

ハイシーズンの雪と春雪の滑りの違い

上手い人にとって、ハイシーズンの雪も春雪も関係ないとは思います。ハイシーズンの雪はグリップが良いので、変なこと、余計なことをしても支えてくれる、助けてくれるというのが春雪と違う点と思います。つまり、変なことや余計なことをしない方は、ハイシーズンの雪も春雪もあまり変わりなく滑れるということではないかと思います。

 

では、その変なことや余計なことは何か、①角付け、②荷重、③ローテーションをキーワードに考えていこうと思います。

 

①角付けはノーズ方向斜めに重心を移動させて行う

角付けはターンのスタート地点で、ここが上手くいけば80%くらいは成功と思います。この時の重心バランスが春雪でのポイントではないかと思います。ボードをたてるためには、重心をエッジ方向に移動させるための動作をします。ただ、ボードをたてたいという意識が強くなると、重心をボードと垂直な方向に動かしたくなります。重心は、便宜的にミゾオチと思ってください。垂直方向に重心を動かすと、サイドカーブだけのターンになりやすく、春雪のような柔らかく反発のない雪では、サイドカーブが充分に撓まず、エッジがグリップしにくいので、ターン弧を描けなくなります。ではどうするか。ドルフィンターンをイメージしてもらうといいと思います。ドルフィンターンでは、重心をボードから外しすぎず、ノーズ方向に若干斜めに素早く重心を移動させています。このようなイメージで、トゥは前足の小指で荷重できる位置、ヒールは前足のカカトの前半分で荷重できる位置を意識すると、ノーズで雪面をとらえて、徐々に雪面を掘って、足場をつくっていけると思います。

 

②荷重は横からではなく上から、パンピングのように

ハイシーズンなら荷重しなくても支えてくれるくらいグリップがいいですが、春雪は反発が得にくいので、荷重をしっかりしないと足場ができません。スピードがあれば軸を倒すだけでもいいかもしれませんが、雪面にエッジが刺さるだけになる可能性が高まります。先ほども述べましたが、春雪は崩れやすいのでボードが撓みにくいです。ハイシーズンであれば真横から荷重をしても撓んでくれますが、春雪では、ノーズに雪をしっかりあてて撓みをつくるイメージの方が安定する気がします。この時に、ボードを足首等のローテーションでターン弧にあわせて走らせると、足場のできが良いように思います。これもまたドルフィンターンのようなイメージです。身体でボードを回転弧にあわせて走らせるようなパンピング動作で荷重できると安定感と走りがよいと思います。

 

③ローテーション

ローテーションは、うまく使えば②の荷重とあわせてボードが走ります。しかし、足場がない状態でローテーションするとカービングにはなりません。春雪は崩れやすいので滑走するための雪面を自分でつくる必要があります。ローテーションはスライドさせるための回転力としてつかうのではなく、回転力を足場をつくるための力として使うようにするといいかと思います。②の荷重でも述べましたが、ローテーションとパンピングを組み合わせるように使うといいと思います。角付けがうまくいっていなかったら、ローテーションしてもスライドしてズルズルするだけなので、角付けの深さや安定を確認してからローテーションをするといいと思います。角付けがうまくいっていなければローテーションは弱めて浅めのターンでリカバリーしましょう。

 

まとめ

春雪では影響が大きい動作と対応を記載してきました。ひとつまとめると、とにかく重心移動を過度におこなわず、横からではなく上から荷重。ローテーションも角付けとあわせて、足場づくりに使うと良いかと思います。逆のこと。重心移動を横に大きくする、角付けが弱いのにローテションを使うと、ハイシーズンの雪ではなんとかなりますが、春雪は助けてくれないという結果になることと思います。

 

振り返りとして思い付きで書いているところがあるので、もう少し春雪で研究したいと思います。みなさんが春雪を楽しむうえで、何かの参考になればうれしいです。

 

 

 

 

スノーボードのスタンスアングルの考察

昨日から雪が降り続いていたので今日は、パウダー確定。今日は仕事をやめて滑ることにしました。

実は普段、圧雪のカービングばかりしているのでパウダーはちょっと苦手です。特にトゥが窮屈で難しく感じます。そろそろ春が近づき、雪質の変化も激しくなってきます。反発が得られにくくなって、ボコボコやベトベトにヤラレてしまいやすくなります。

今日は、偶然にもスタンスアングルを変えたら、パウダー(柔らかい雪のボコボコも含む)で調子が良かったので、同じような問題を持っている方への参考にメモしておきます。

これまでは前21度後3度にしていました。硬めの圧雪だと最高に調子がいいスタンスなのですが、柔らかい雪になると前に乗りすぎてしまったり、気持ちの悪い思いをしていました。

今回試したのは前24度後9度です。特に後を9度まで前に振ったのは久しぶりでした。最近の前振りカービングに比べれば全然な角度と思います。幅はたぶん56cmくらいです。

これまでの経験からパウダーなど柔らかい雪では、ボードに横から力をかけるのはNGで、斜めにボードがキレていくようにしていく必要があると考えています。

そのため、身体をノーズ方向に向けて真上からボードを踏んでいく必要があります(ヒールはノーズ側の土踏まずの踵側くらい、トゥは母指球あたりでエッジを立てない)。

前足の角度を増やすと、ヒールエッジに対する力加減がより斜めになり力が斜めにエッジにかかるようになります。自分の場合、21度以下は横から踏む感じが強く、27度以上は真上から踏む感じになります。24度はやや真上から踏む感じです。

後は、3度以下は横から踏む感じで、9度以上は真上から踏む感じです。6度はやや真上からという感じです。

今回、9度でよかったのはパウダーでのパンピングが後足首で簡単に行えたことです。3度や6度だとどうも身体がボードから外れてしまいやすく、身体全体を後に移動するような感じになってしまって難しかったですが、これが解消されました。そうすると、ノーズを浮かすのに、セットバックによるノーズの長さに頼る必要がなく、前足も使いやすくなりました。荒れたバーンではこれがとてもありがたい。。

24度で程よく前を向いているので、前足のパンピング動作もボードから身体が外れずに行えました。もちろん股関節をノーズ側に開いて捩れを吸収しておく必要はありますが、24度と9度はこれを行うにとても良かったです。

おかげで斜度のないパウダーも、荒れた面も、ツリーも、急斜面も楽に滑ることができました。もう一つ身体、反発を得られない時にボードを簡単に回転させる動作も発見したので、これは別途検証して報告します。

スタンスアングルを決める際に、上記のように、横からエッジに力をかける感じがあるのは何度くらいからか、真上から踏んでいけるのは何度くらいからかを意識すると決めやすいのではないかと思います。自分は結果的に、前はその中間、後は真上からを選択しました。

硬いバーンのカービングなどでエッジングの力が弱い方は横からを強めにするといいと思います。柔らかいバーンで、エッジに乗りすぎる方は、真上からを優先するといいと思います。

後足を真上からにしていくと不安定に感じる人もいると思います。このあたりは関節の柔らかさがあれば後ろ足は横からを優先してエッジのバランスをとりやすくできるでしょう。

今回、スタンスアングルを、横向きに感じか、真上からに感じるかで整理してみました。春も近いので自分はしばらく24度9度でやっていこうと思います。

ヒールターンの謎をやっと解明できた③

これまで、ヒールターンのポイントのうち、アプローチ角付けについて解説してきました。今回は、最終回として荷重について解説します。

 

荷重は角付けによる慣性力への対応

最初の45度で角付け(エッジが入る)が行われると、その瞬間から慣性力が発生します。慣性力は電車のつり革の話で理科の教科書に載っていたと思います。直進している自転車やバイクで思いっきりブレーキをかけると、後輪が持ち上がってひっくり返りそうになるアレです。速度のある物体に、その速度と逆方向の抵抗がかかった時、物体が速度方向に進み続けよう力です。逆に、止まっている物体に速度を与えると、止まり続けようとする力でもあります。遠心力も慣性力のひとつです。余談ですが、何かをやり始める時に感じる辛さ、熱中している時に中断させられる辛さも、自分は心の慣性力と思っています。行く前は億劫なのに、行ってみると楽しいってことないですか?

 

さて、スノーボードのターンの場合は、角付けでエッジによるブレーキがかかった時に、動き続けようと慣性力が発生します。慣性力に対して、エッジアングルを高めてソールで慣性力と反対の力を発生させることが荷重です。こう考えると、荷重は、角付けの結果、バランスをとるために自然と発生する受け身の動作とも言えます。積極的なのは角付けで、その尻ぬぐいの動作が荷重と言ってもいいでしょう。会社にもいますよね。イケイケの社長や上司の後ろで尻ぬぐいしながらバランスをとっている人。そんな感じです。

 

荷重の方向と力の向き

荷重は角付けによる慣性力への対応でした。そのため、荷重の方法を考えるには、慣性力の強さと方向が重要になります。慣性力の強さは、物体の重さ(体重)と加速度に比例します。加速度はこの場合、どれくらい急激にブレーキをかけるかです。もちろんスピードが速ければブレーキも強くできますのでスピードは必須です。方向は、遮った力の向きに働きます。

 

斜滑降で進んでいる時には、二つの力がバランスをとった状態で進んでいます。ひとつはフォールライン方向(下方向)、もうひとつは横方向に進む力です。ターンは、横方向への力を反対方向に変換する動きです。そこで、横方向への力に対してブレーキをかけて0にしていく必要があります。

 

角付けは、この横方向の力をイメージして、これにブレーキをかけるように行います。これは前足で行います。下の右図のように赤矢印で示した力に対して行います。ヒザが赤矢印の方向に向いていますが、そのようにすると横方向の力に対して角付け(ブレーキ)が行いやすいと思います。このようにすると、赤矢印方向に慣性力が働き、その反対方向にエッジを傾けて荷重することができます。その際、テール側に回転力が生まれます。ここで、後足でのエッジングがなければズレながら回転します。ここで、後足のエッジングを行い回転力をとめるとズレのないカービングターンになります。回転力が強ければ後足にかかる力も強くなるので後足の荷重も自然と強くなります。つまり、前足で、赤矢印の方向の力にブレーキをしっかりかけることは、後足のエッジグリップを強めることにもなります。

 

 

横方向の力はターンピークで0になります(実際は0になるのでターンピークになる)。そこからは、横方向への力から慣性力は発生しません。反対方向(トゥ方向)に進むためには、ターンピークから先、下方向への力に対して前足でブレーキをかけていく必要があります。斜面下方向に落下する力は重力によるものです。これにブレーキをかけ続けることで横方向への力が発生し、斜滑降になります。先ほどと同様に、赤矢印の力に前足でブレーキをかけることでテール方向には回転力が発生しますので、後足のエッジングで回転力をとめることでカービングターンになります。

 

上記の荷重のプロセスを行うと体感としては、前足でずっと角付けを続けていっているような感じになるのではないかと思います。自分の場合は、前足で角付けをし続けると勝手に後足も含めて荷重できている感じです。サイドカーブを無視して説明しましたが、サイドカーブは前足から始まる荷重を後足の荷重にうまくつないでくれるような感じと思います。ここは自分も理解しきれていないので研究を続けます。

 

ターンピークからの荷重の注意点

ターンピークからは、下方向の力に対して角付けと荷重をしていくと説明しました。よく、ガガガっとなる人がいると思います。ターンピークから先は必要以上に慣性力を大きくしないようにする必要があります。

 

エッジアングルを大きくすれば慣性力が大きくなります。ターンピークからは斜度に応じてずっと重力の分力(上の赤矢印)が働いています。内倒するとエッジアングルが大きくなり、重力の分力を基にした慣性力は大きくなります。慣性力が大きくなると、さらにエッジアングルを大きくしないとバランスがとれなくなります。そこでエッジアングルを内倒によってさらに大きくしないとならなくなります。重力の分力はなくならないので、エッジアングルが重力の分力と同じ向きになるまで、内倒を繰り返すことになります。さらに、ボードに力が加わるとたわむので回転半径も小さくなります。慣性力である遠心力は回転半径の2乗に反比例するので、回転半径が小さくなれば、指数関数的に遠心力が強くなります。この悪循環から抜け出すのは困難です。最終的に、エッジングがもたなくなり、ガガガとなるわけです。

 

重力の分力と記載しましたが、これは、重力方向に真っすぐ立っている状態が最も小さいです。ターンピークから後半は悪循環にならないように、エッジアングルをあまり大きくせず、できるだけ重力方向に真っすぐ立って、角付けと荷重を行うことが重要です。下の図のようなイメージですが、前足でしっかり角付けと荷重をして、斜滑降をすることを忘れないようにしてください。

まとめ

3つの記事でアプローチ角付け荷重の3つについて解説をしてきました。アプローチは、角付けによる慣性力を生み出すための直線的な加速度を得る役割を担います。角付けと荷重はセットで、アプローチで得られた加速度にブレーキをかけることで、回転を生み出していく役割を担います。ヒールターンで混乱するのは、角付けと荷重の方向であると思います。ターンピークまでは横向きの力を使いますが、この横向きの力を小さくするように角付けをすること、これがヒールターンの成否を決めるポイントであると思います。前の記事で記載しましたが、ターンをターンと思って行うとこの横向きの力に対するアクションができなくなります。特にヒールターンは、ジグザクに進むようなイメージでいると、横向きの力に対する角付けが簡単になります。是非、試してみてください。

 

トゥサイドも考え方は同じです。ただし、トゥサイドは足首の関節が使えるので、カービングのバランスはとりやすいです。一方で、内倒しやすくズラシが難しいです。この点は、パウダーや春雪、コブ等で滑りが難しく感じることにつながります。春にむけてこの点をまた解説していきたいと思います。

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ターンはターンすると考えない方がうまくいく

ターンはターンであってターンではない

いきなり意味深なタイトルでスタートしました。自分のライディングをビデオで撮ってもらったことがある方は、「えー、イメージと違う」と残念に思った経験があると思います。このように私たちが頭の中に描く動作のイメージと実際は異なることが多いです。さて、ここで一つ問いがでてきます。

 

イメージと実際のライディングが異なるのは悪いことなのか。

 

もし、結果として実際のライディングが目指す姿とあっていれば、頭の中の動作のイメージがどうであれ良いのではないでしょうか。つまり、インプットとしての頭の中のイメージをAとすると、アウトプットとしてBがでてきても、望む結果がBであれば結果オーライということではないかということです。

 

今シーズンはスノーボードの理解が進み、安定感のある滑りができるようになりました。ただ、ヒールサイドターンのエッジアングルが大きくならないのが気になっていました。考えを進めていくと、昨年末に、レジェンドから頂いた下記のアドバイスに戻ってきました。

 

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このアドバイスは、自分でターン弧を描いていくという(頭の中の動作)イメージではなく、フォールラインに上半身を平行にしたまま、左右にある二つの壁の間をジャンプしていくような(頭の中の動作)イメージで滑ります。下記の記事で取り上げた動画のイメージです。

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このようなイメージで滑ると、角付け、抜重、荷重、リーンアウト、ローテーション等を、ぜーんぶまとめてできるようになります。特に、ミドルターンやショートターンで効果絶大です。再度確認しますが、頭の中の動作イメージは円弧を描きません。下記のような真っすぐジグザクです。面白いのは、このような動作イメージであるにも関わらず、アウトプットである実際のライディングはキレイな円弧になります。ボードに両足均等に荷重すれば斜面では必ず下側に回転しますので、しっかり理にかなっています。エッジアングルも、これで向上することができました。

 

まとめ

今回、イメージと実際のライディングが異なること自体を悪いと考えないで、インプットとしてのイメージとアウトプットとしての実際のライディングの関係があっていれば良いのではないかということに注目しました。頭の中で難しいイメージを構築するよりも、簡単なイメージで複雑な動作をまとめあげてしまう方が上達が速いのではないかと思います。このイメージで滑る際のポイントはもう一つあります。それは、私たちは斜面を滑っているので、サイドの壁の間の幅をある程度大きくとりつつも、しっかり斜面下に身体を落としていくことです。実はここも面白いのですが、身体を落としていこうとすると逆にグリップが良くなって落ちなくなります

 

さて、私たちがスノーボードでターンを始めたとき、おそらくロングターンからだったと思います。ショートターンから習ったという方は殆どいないのではないでしょうか。ロングターンという意識を持つと、どうしても円弧を描こうとしてしまいます。そして、動作が複雑になっていきます。ロングターンが悪いのではありませんが、ミドルターンやショートターンとして最初から習得した方が、効率的ではないか思うところです。

スノーボードのターンのコツ(ヒールでもトゥでも結構重要)

ボードを動かすために、どこを動かす必要があるのか

スノーボードでターンをするためには、雪面からの抵抗を生み出すためにボードを動かす必要があります。多くのことに共通すると思いますが、まずは目的を明確にして、それに対して必要なことを整理し実行していく必要があります。最初に考えた「必要なこと」が目的に効果的ではない可能性もありますので、過程においてそれを確認することも重要です。

 

冒頭で、「雪面からの抵抗を生み出すためにボードを動かす」という目的を書きました。この部分の詳細は、ドリフトターンなのか、カービングターンなのか、ショートターンなのか、ロングターンなのか、様々な種類のターンがあるので、それによって適切な雪面からの抵抗が違うはずですし、そのために必要な動作の数や組み合わせは変わってくるはずです。例えば、下記のようなことが考えられます。ボールドになっていることが特に重要な動作です。

  • ドリフトターン
    回転させる、ボードを傾ける、ボードのズレをおさえる
  • カービングターン
    回転させるボードを傾けるボードのズレをおさえる

どんなターンにおいても共通する重要な動作は「回転させる」です。目的語をもう一度確認しておきましょう。ボードを回転させるです。そのためには、ブーツがターン方向に回転しないといけません。ブーツの回転がビンディングを通してボードに伝わります。

 

さて、ブーツを回転させるために、私たちは何をどのように動かせばいいでしょうか。足全体を回転させればいいのですが、その中でも、自分で回転させることができる部位は足首と股関節と思います。ボードを効率的に回転させることを考えると、この2つ部位が回転するかどうかがポイントになります。膝関節は、足首と股関節(特に股関節)が回転することで結果的に回転はしますが、それ自身では回転しません。

 

ジャマするヤツもいる

ボードを回転させるために、足首と股関節を回転させるのが効率的であることがわかりました。しかし、回転をジャマするやつもいます。上半身と腰です。足首は、これらとは比較的独立していますが、特に股関節の回転は、腰や上半身にジャマされます。上半身や腰を足首と股関節と逆向きに回そうとする、もしくは全く回転しないようにすると、足首や股関節の回転はやり難くなります。できないのではありませんが、回転できる角度が小さくなったり、動かし難くなったりします。

 

足首や股関節を回転させることに注目すると、上半身は彼らの動きに従うか、もしくは早めにジャマしない位置に回転しておくかが必要です。これが先行動作と言われるものと思います。ここは重要です。私たちはスノーボードを習うときに、下半身より上半身(目線も含め)の話をよく聞きます。つまり、上半身で下半身を制御しようとする発想です。実際は、足首と股関節がリーダーですので、上半身の動きを習っても、できる人とできない人がでてしまうわけです。できる人は上半身と下半身の連動が良いのだろうと思います。自分は身体が硬いの結果として連動が良いと思います。我が妻は、身体が柔らかいので上半身の動きでは、滑りが全然改善しませんでした。

 

回転の動きの上達のコツは、足首や股関節をダイレクトに回転させることと思います。上半身は、下半身の動きでリードする。もしくはジャマしないように動かしましょう。

 

足首と股関節を回転させるために

足首と股関節を回転させるには、ボードをつけずに確認すると良いです。ヒールサイドターンに必要な回転は、レギュラーであれば反時計回り。トーサイドは時計回りです。両足首と両股関節を同時に動かしましょう。

 

回転させるためには支点が必要です。ヒールサイドのために、反時計回りに足首と股関節を回転させるにはカカトが支点になります。トーサイドのために、時計回りに足首と股関節を回転させるにはつま先が支点になります。ヒールサイドは、つま先が回転する。トーサイドはカカトが回転します。

 

一方で、この回転した状態をつくるには、もう一つの方法があります。ヒールサイドでは、つま先を支点にしてカカトをテール側に引く(反時計回り)。トーサイドでは、カカトを支点にしてつま先をテール側に引く(時計回り)というやり方です。文字で書くと混乱するかもしれませんが、試してもらえるとなるほどと思ってもらえるはずです。

 

ヒールサイドターンの前にはトーサイドターンがあります。トーサイドターンの前にはヒールサイドターンがあります。つまり、ヒールサイドターンの前には、トーエッジに乗っているトーサイドターンの前には、ヒールエッジに乗っています。つまり、ヒールサイドターンには、トーエッジを支点にする。トーサイドターンには、ヒールエッジを支点にするのが効率的です。つまり、先ほど説明した2つ目の足首と股関節を回転する方法が効率的だということです。

 

この方法はトーションの使い方とも言えます。トーションは前足と後足を別々に動かすように説明されますが、スピードが出ている時に前足から後足なんて考えている時間はないので、両の足首と股関節を同時に動かすことでも結果は同じになると思います。抵抗の少ない前足が必ず先になることでしょう。

 

最後に

回転と合わせてボードを傾けることもスノーボードのターンには必要です。ここはとてもトリッキーなのですが、実は足首と股関節が回転する時に、特に前足のビンディングの角度があることで、傾ける動作も行われます。是非、ボードをつけて足首と股関節を回転させてみてください。平地であれば、ヒールとトーでテールが上がるはずです。斜面であれば、斜面にボードがフラットになるように動くはずです。

 

私たちの多くは上半身の動きを習ってきましたが、上半身は下半身のジャマをさせないことが重要です。下半身がうまくいくと上半身がカッコよくなります。上半身を動かすのではなく、下半身の動きがあっているかどうかの判断材料として使ってください!

キッカーの練習

キッカーは怖いものなのか

2000年頃は、カービングよりもキッカーやハープパイプが流行っていて、自分も練習していました。大きなキッカーにも慣れてきて、回転ワザもやりたい!と上達を感じる時期があったのですが、直後に着地に失敗して左膝を怪我してしまい、キッカーから遠ざかってしまいました。ハーフパイプはものすごく高く飛べなければランディングに角度があるので怪我もしにくいだろうとそちらの練習をしていました。今でもパイプ地形は好きで、そのような場所を見つけるとちょっと飛んでみたり、中でカービングしたりしています。しかし、キッカーはいろいろなところにあり、それを無視し続けのもどうも気持ちが悪く、足の裏についた米粒のような感じになっていました。

 

問題はキッカーは怖いものなのかということ。単なるストレートでも怖いのです。よくよく考えてみると、それは失敗と成功がロシアンルーレットのように感じるからではないかと思います。これが成功する時はこうなっていると、しっかり理解ができていれば、失敗確率はおのずと低くなっていくはずです。そこで、Youtubeを漁って、「正しい動作と理屈」を調査してみました。

 

アプローチが9割

アプローチが悪かったら間違いなく失敗すると思います。つまり、ジャンプはアプローチが9割なのではないか。では、アプローチが理解できれば9割の問題が解決するんだろうと思います。そこで、今日はアプローチについて試行してきた結果も含めて報告します。ストレートエアを前提としています。

 

フラットで飛ぶ??

フラットで滑るというとリフトを降りる時があります。降り口がカリカリに凍り付いている時は、フラットで滑るとバランスを崩すことがあります。フラットで滑るのが上手くて自身がある人は問題ないと思いますが、フラットで飛ぶというのは、例えばリップがカリカリだと、自分はとても恐怖を感じてしまいます。逆に、ある程度、安定させてくれる雪だったらあまり怖くありません。しかし、キッカーのリップは通常、形を維持するために硬いの普通で、いつも恐怖を感じています。

 

フラットで飛ぶというのは常識のように語られていますが、本当にそうなのか?。別のやり方はないのかと考えてしまいました。P-Can FactoryさんのYoutubeで、薄っすらトゥエッジをかけるということを見つけ、今日はそれを試してみました。まずは、トゥエッジをかけるとターンしてしまいそうに思いますが、斜滑降のように真っすぐ進むこともできるはずということで、やってみました。

 

その結果、エッジを立てるというのではなく足首で「踏む」感じであれば、真っすぐに進むことができ、安定したジャンプができました。あまり大きなサイズではないですが、リップは少しあがっていていつもは怖い大きさでした。最初の一本こそまくられそうになりましたが、2本目からは6本連続で安定した放物線で飛ぶことができました(自分の中では凄いことです(笑))。この時、オーリーはしないようにしました。

 

オーリーは必要?

アプローチについて、フラットとならんで説明されるのがオーリー。オーリーという動作自体が、ノーズが下がってしまったり、まくられたりする原因になっていました。今回は、またもP-Can FactoryさんのYoutubeで言っていたオーリーよりも、飛びたい角度(例えば45度)の線に頭が通っていくように意識してみました。これは衝撃的でした。

 

「リップに合わせるのではなくて、自分の飛びたい角度に合わせる」 キックとリップに対しては下半身で必要に応じて調整していくだけ。

 

気持ちは、自分の道をいくぞという感じで、とても自信が生まれる飛び方でした。また、45度を意識しましたが、実際、飛距離もでやすくて効果的と感じました。オーリーもいいのでしょうけれど、自分にはまだ忙しいです。安心して飛びたいということに対しては、このアプローチが良いと思いました。

 

少し振出しに戻ってしまった

しかし、最後には疲れもあってか少し動作が怪しくなりました。おそらくリップのあたりで、飛んでやろう!という意気込みで余計な動作をしてしまったんだと思います。すーーっと抜ける。次からはこれに集中して、グラブをいれていこうと思います。