遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

「ヒザを曲げろ」、「腰を落とせ」がヒールサイドターンをダメにすると気づいた

何をやってもヒールサイドターンがズレる

ヒールサイドターンはズレやすい。僕は、ずーーっとズレてます。ここ数年は、トゥサイドが良くなったので、トゥサイドで減速できなかった分をヒールサイドでカバーする必要がなくなり、ヒールサイドのズレは少なくなりました。

 

しかし、正直まだズレてます。カービングではなく、まだズレの少ないターンです。

 

トゥサイドのこともあり、何をやってもズレるので嫌になって、「スノーボードなんかやめてやる!」、「つまんない!」と思ったことが何度もありました。

 

悪循環はこうして始まった

ズレの原因はヒールサイドターンのはじまり、つまり切り替え期に、エッジを立てようとすればするほど、エッジが立たない動きをしていたということです。

 

スノーボードを始めた頃からずっと、ヒザを曲げて、腰を落としてというように言われてきました。雑誌のヒールサイドターンの写真を見ても、ヒザが曲がって、腰が落ちているものばかりでした。このアングルはカッコいいので、自然にそのショットが増えるんじゃないかと思っています。こうして、僕の脳みそには、刷り込みのように、ヒザを曲げて、腰を落としてということが染みついてしまっていました。

 

これは、止まった状態で是非やってみてもらいたいのですが、ヒザを曲げつつ、エッジを立てれますか? ブーツの中で、つま先をがんばって持ち上げても、くるぶしの間接には限界があります。ビンディングの角度によりますが、スタンス角度が横向きであればあるほど、ヒザを曲げることとエッジを立てる動きは両立しません

 

自分は、前15度、後-3度ですが、この角度で、何とかヒザを曲げて、腰を落とそうとしていたことが、悪循環の始まりでした。ヒザを曲げようとすればする程、エッジは緩み、ズレるようになっていました。

 

誤解のポイント

写真なんかでヒールサイドのカービングターンを見ると、ヒザが曲がっているじゃないかと思われると思います。これには、3つの誤解ポイントがあると思います。

 

  • ヒザを曲げる動きを頑張っても、角付けはできない
    ヒザが曲がっているのは、その前にボードが十分に傾いていて、遠心力によって、バランスがとれる状態になっているからです。ターンのスタート時に、角付け(板を立ててエッジングをすること)がしっかりできないとこの状態はつくれません。
  • ヒザはそんなに曲がっていない、その代わり股関節と腰が曲がっている
    ヒザが曲がって腰が落ちているように見えますが、足の甲とスネの角度は、ブーツの前傾角度程度で、ブーツのベロの部分を押しつぶす程にヒザは曲げていないはずです。そのまま、ボードと伴に傾いているので、腰が落ちているように見えます。腰を落とすところは、足の付け根の股関節と腰が曲がっていて、腿と胸を近くしてバランスをとっているはずです。
  • 後足のビンディングの角度が、めちゃめちゃ前を向いている
    ヒザを曲げつつ、エッジを立てることができる程、ビンディングの角度が前向きになっている。後が15度くらいになると、ヒザの曲げと、エッジを立てることが両立するようになるように思います。これについては、下記の記事に詳細を記載しています。 

fq12345.hatenablog.com

 

悪循環からの脱出。ヒザを曲げずに、腰を落とせ!

これからの動作は、僕の角度(前15度、後-3度)での表現です。ヒールサイドの力点は、前踵は、踵の先端か少しノーズ方向にズレた場所、後踵の先端からボードの中心方向に若干ずれた場所と思っています。力点は、サイドスリップをしてみて、効率よく強いエッジングができる場所です。

 

エッジを効率良く立てるには、特に後足のヒザを曲げないで、逆に伸ばす動きをすることが重要です。イメージは、トゥサイドでヒザが曲がった状態から、腰をヒールエッジ側に動かしながらヒザを伸ばして前屈をする感じです。こうすることで、簡単にエッジが立ちます。

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ヒザを曲げるかヒザを伸ばすか

僕は、力点を意識して、ボードと腰と足が三角形になるように伸ばすようにしてみました。上の写真では、左はヒザが曲がっていて、右はヒザが伸びています。赤いボードの中心線と比較してみてください。ヒザの位置が違うと思います。右の写真でヒザを伸ばすとハイバックにふくらはぎが当たりやすくなり、ボードが立ちます。

 

この動きは、ヒールサイドでサイドスリップして、エッジを急激に立ててストップする練習で確認しました。特に、屈伸でかがむ勢いで、ヒザを伸ばしてながら、エッジを立ててストップできるようになると、ターン時のヒザを伸ばしてエッジを立てる感覚が得られやすかったです。

 

写真で後足にフォーカスしていますが、実は前足は勝手に伸びます。ズレの原因は、後足なんです。前はエッジを立てて、後はエッジを緩める動きをすることが非常に多いです。自分もそうでした。

 

角付けに関してですが、トゥサイドはヒザを曲げ、ヒールサイドはヒザを伸ばすです。ただし、これにはタイミングがあります。

 

ヒザはいつまで真っすぐで、腰はどうやって落とすんだ!

ヒザが真っすぐだと、不安定だし怪我しそうだし怖いと思います。僕もそう思います。ここで忘れてはいけないのはタイミングです。いつヒザを伸ばして、いつまでそれをし続けるのかという時間変化を忘れさせてしまうことも悪循環に入りやすくする要因です。スノーボードのメディアの方は是非、ポイント、ポイントで時間を止めないで、時間軸に沿って、丁寧な説明をしてほしいです。

 

さて、いつから、いつまでですが、トゥサイドからヒールサイドに切り替える瞬間から、ターンのピークまでと思っています。その間に先にも述べた通り、トゥサイドでヒザが曲がった状態から、腰をヒールエッジ側に動かしながらヒザを伸ばして前屈をし、前屈をしながら、腰を低くしていくと、エッジングが強まっていきます。ターンのピークから先は、サイドスリップと同じように、フォールライン方向に落ちていく力によって、ヒザを曲げてもエッジが立つようになりますので、ここからは、ヒザを使って立ち上がっていきます。

 

もちろん、前屈状態で完全にヒザが伸ばさなくても、ある程度ヒザが伸びてくれば角付けができると思います。ただ、最初の練習時には、後ろヒザを曲げる動きがなかなかとれません。荒れていない、グルーミングの効いた斜面で、思い切りヒザを伸ばしてみて、まずは感覚を得て頂ければと思います。

 

上手くいくと、身体に無理なく、楽にバランスがとれるような感じが強まります。

 

最後に、この後ろヒザを伸ばす動きですが、上体をひねると難しくなります。ビンディングの角度以上に、上体をひねらず、自然に後ヒザを伸ばせる姿勢で行うことも忘れないでください。