遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

Day32 スノーボードのヒールサイドターンほぼ完成

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「フォームがある」

同じ年齢ながら、サーフィン、スノーボードの両方で、非常にスムーズかつダイナミックなフローを描く友人がいます。彼にヒールサイドターンのポイントを聞くと、「フォームがある」と言います。フォームってなんだ?と思っていましたが、切り替えでのエッジングをしっかり行ってから、踏み込み、次のトゥサイドターンへの切り替えをスムーズに行おうとすると、確かに理にかなった「フォーム」がありました。

 

ヒールサイドターンの動き

昨シーズンの終わりに一旦整理しましたが、ヒールサイドはまだまだ曖昧な部分が多かったです。今回、先の「フォーム」も含めて詳述していこうと思います。ポイントは、トゥサイドからの切り替えは「ブランコを横向いて乗る感じ」、荷重は「早めに」、「前足のビンディングの角度にそって斜め後ろに」、立ち上がりは「後足のカカトで」、「前足のビンディングの角度にそって斜め前に」、両切り替え時(トゥからヒール、ヒールからトゥ)では「上半身、特に頭は倒さない」です。

トゥサイドからの切り替え

トゥサイドは、足指の関節を使えるので、上半身を倒してエッジを踏んで荷重する(たわませる)ことができます。そのためターン後半では、下半身がターン内側に倒れこんでいます(上半身も倒れこんでいる人は多いですが、その後の動作が遅れるので気持ちよくなりたい場合以外は、倒さない方が楽に滑れます)。

 

ターン後半は、立ち上がる(ヒザを伸ばしていく)ことで荷重をしていきます。まずは立ち上がって戻るポジションと姿勢を確認します。これは、トゥエッジで斜滑降するポジションと姿勢です。もっとわかりやすく言うと、トゥエッジで斜面にストップして立つポジションと姿勢です。この時、ヒールエッジは雪面から浮いていて、ボードは斜面ではなく、平地に対して平行になっています。ヒザは適度に曲がっていると思いますが、頭と上半身はボード(平地)から垂直に伸ばした線上にあり、傾いていないはずです

 

トゥサイドから立ち上がりは、この姿勢を目指しますターンの始動に上半身の傾きは必要ありません。エッジを切り替えてエッジを踏む動作でターンできます。傾きを使うとエッジングができても荷重ができなくなりますので、逆効果です。

 

立ち上がる際にヒザが伸びていきますが、ヒールサイドは足の指の関節が使えないので、ここで少しコツがあります。クロスオーバーと呼ばれるものです(上半身と頭は傾けない)。立ち上がる際に、足首とヒザを使ってボードを斜面上方向に少しズラシあげるようにしてみてください。感覚的には、ブランコで一番下から前向きに上に上がっていくときにあおる感じです。ただし、この時も進行方向をしっかり見ておく必要がありますので、「ブランコを真横を向いて乗る感じ」です。上半身を捻じらずに、ヒザから下をカカトで踏みながら蹴り上げることで、ヒールエッジが上半身から離れてエッジが立ち、上半身とボードが荷重できる位置関係になります(超重要です)注意点は、この時にヒザを曲げないでください。ヒザを曲げるとせっかくあおりで得たエッジグリップの力を吸収してしまいます。

ターンピークの前に荷重

荷重できる位置関係ができあがったらすぐに沈みこみで荷重します。よくある失敗例は、ターンピークをすぎてから荷重をしてしまうことです。沈み込み荷重は切り替えからターンピークの前に「早く」終わらせます。この時に「前足のビンディングの角度にそって斜め後ろに」、上半身をボードのエッジに平行に斜め後ろに動かしながら、上体を被せつつ沈み込んでいきます。この角度が重要で、これを行うことで、余計なねじれを生ませず、ズレを止めとキレを生む後足荷重ができるようになります。これが「フォーム」と言っていたものの正体と思います。この時に、上半身をエッジに平行にエッジに垂直に下げながら荷重すると、ビンディングの角度分、前足荷重になります。緩斜面ならそれ程問題ないのですが、雪面に対するグリップ力が少ない急斜面では、これだけでズレズレになります。

ターンピーク後の荷重と立ち上がり

ターンピーク後も荷重が必要ですが、ここで沈み込み荷重をしてしまうと、トゥサイドへの切り替えが遅れます。また、ヒールエッジでストップするのと同じようになりやすくなります。次への切り替えとカービングの継続を両立するためには、立ち上がりながら荷重する(ヒザを伸ばしながら荷重する)必要があります。この時に、前足に乗ってしまうと、雪面に刺さったり、テールがズレたり、ガツガツしたりします。そのため、グリップ力を失いながら伸ばし荷重をするために、「後足のカカトで」立ち上がるようにします。この時に、角度が重要です。「前足のビンディングの角度にそって斜め前に」、上半身をエッジに平行に移動させながら立ち上がります。この時にも、エッジに垂直方向に立ち上がろうとすると前足荷重が強くなって先に述べたズレ等の問題が発生します。

 

立ち上がる際に目指すポジションと姿勢は、冒頭で述べたのと同様に、ヒールエッジで斜滑降するポジションと姿勢です。つまり、ヒールエッジで斜面にストップして立つポジションと姿勢です。最終的に、カカトを持ち上げるように上半身と頭をしっかり持ち上げると、そこから次のトゥサイドの踏み込みが、内倒等なく行うことができます。

 

上半身、特に頭は倒さない

両切り替え時(トゥからヒール、ヒールからトゥ)では「上半身、特に頭は倒さない」ようにしてください。ターンは身体全体を倒しこんで行うと思ってしまうような説明は多いです。実はこのことがスノーボード上達を阻害する最も大きな要因だと思っています。もちろん下半身はボードと一緒に傾きますが、これは荷重する際、バランスをとるため必ず起こることです。つまり、傾きを自分でつくるように意識しなくても、荷重をすれば勝手に傾きます。ここは絶対間違えないようにしてください。僕は、これがわからず20年くらい無駄にしました。