遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

「遠くを見ればいい」ではなく、「目線を斜面と水平にする」必要がある

トゥサイドターンで踏み込めない!!強く踏み込める動きの確認

 春の雪は難しい。ガリガリだったり、シャバシャバだったり、ベトベトだったり。一方で、このようなコンディションは私たちの滑りの欠点を浮き彫りにしてくれます。あまりに打ちのめされるので、もうやめる!と思ったことが何度もありました。でも、上手い人は関係なく滑っているんですよね。何が違うかわけわからんっとも何度思ったことか。

 

 今回ひょんなことから、その先への扉が開いたので整理しておこうと思います。以前から、「遠くを見ると安定する」と言われていました。うまくいくこともありましたが、結局良かったり良くなかったりで、いつしか下半身の動きに集中していってしまっていました。

 

 トゥサイドターンの角付けは良くなったのに踏み込めないという問題が自分にはありました。その時に、トゥサイドターンで踏み込むってどういうことなんだろうということで、Snowboard addictionの下記のビデオのトゥサイドの練習をもう一度やってみることにしました。2:06あたりに解説があるのですが、下記の画像が正しい動きで、斜面下方向を見ると良くないよと解説しています。

 

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Pressure Through Turns On A Snowboard

 

やってみましたが、斜面下方向を見ると確かにぎこちない踏み込みになりました。確かに、この画像のように、斜面上方向を見て身体が捻じれていないと強く踏み込めました。

 

強く踏み込む動きを滑りに組み込めるのか?

では、どうやってこの動きを滑りにいれていけばいいんだろうか?そもそも組み込めるのだろうか?という疑問がありました。結局わかりませんでした。でも、このストップの練習をした時に、「首がそって頭がしっかり立っていればバランスを崩しにくいのではないか」というアイデアがでてきました。

 

そこで、まずはトゥサイドで首が立つようにしてみようと考えました。首をシンプルに立てるにはどうしてもボードの横(つまり斜面下側)を見る必要があります。その時になんとなく思い出したのが、ヨナスエメリーの「チンパンジーエア」の姿勢です。古いですね(笑)スカイダイビングの方がいいかもしれませんが、身体が水平になっても、首を起こしてランディングを見ていくこの姿勢が、トゥサイドターンへの導入時に使えるんじゃないかと思いました。

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https://youtu.be/UH6p47U_tzk

こうなると、ノーズが進む進行方向は見えないはずです。ちょっと怖かったですが、せっかくなので、次のヒールサイドターンのピークくらいを見てみようと思いました。やってみると一発目から安定感が全然違うターンができました。ボードの真横を見る感じになるので身体の捻じれが生まれずとてもスムーズに曲がれる感じがありました。踏み込みも簡単にできました!

 

そうか、遠くつまりターンの出口くらいを見るといいんだな!と、数本滑ってみました。すると、うまくいくときと、いかない時がでてきました。同じようにターン出口を見ているのにです。

 

目線の高さという要素に気づいた

うまくいくときといかない時の差を考えてみました。そうすると、同じような場所を見ているのですが、実はうまくいかない時は雪面を見ており、うまくいくときはもっと上を見ているということに気づきました。そこで、目線を斜面と水平にしてみることにしました。これがビンゴ。全く失敗がなくなりました。下の写真は目線の比較用に帰宅前にとったものです。写真では大きな差がないように見えるかもしれませんが、斜面に水平な視線をキープすると視野の広さにびっくりすると思います。

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遠くを見ているが雪面にフォーカス

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目線を斜面に平行にする

 

なぜ、うまくいったのか解説

目線を水平にするということについてです。下の図の右側のように、雪面に意識をすると、無意識に頭が下がってしまいます。遠くを見るとある程度解消しますが、雪面を見ている限り、大なり小なり必ず頭が下がりやすくなります。一方で、斜面に水平にすると、身体が倒れても先のチンパンジーエアやスカイダイビングのように首が反りやすくなります。これが、強い荷重をつくりやすくさせてくれるのだと思います。

 

また、スマホや老眼の初歩で目が弱くなってきている自分ですが、雪面にフォーカスすると雪の状態が目まぐるしく情報として入ってくるので、正直目がついていかないと感じていましたが、目線を斜面と水平にすると情報が少なくなり目が楽になりました。これは非常に大きな変化でした。ついでに斜面下方向をみていたので、斜度の認識がよくなり斜面に対して目が混乱せず安定感を保ちやすくなったように思いました。

 

いいことづくめでしたが実はひとつ気を付けないといけない点がありました。それはボードはしっかりとノーズの進行方向に進むようにする!ということです。殆どノーズの進む方向を見ずにエッジを切り替えるので、前足での踏み込みがあまくなります。ここはしっかり前足で踏み込みつつ、昨日記載した股関節を伸ばして重心を移動させることができれば、ものすごい安定感になるということです。ちょっと混乱しそうな動きですが、できてしまうと非常に理にかなった安定した動きになりました。

 

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ヒールサイドターンは?

トゥサイドでできるならヒールサイドも!と思うのは自然のことと思います。試してみました。ヒールサイドは斜面下方向、特にターンの出口や次のターンのピークをみるというのは捻じりによるボードの回転を生み出してしまう可能性が高いです。でも、やってみました。結果は、まずはボードをしっかりノーズ方向に走らせながらという前提で「意外と見ることができる!」そして「安定する」でした。意外でした。

 

ヒールサイドも目標に対して斜面に水平に視線をロックオンすることで、ターン後半の山回りで身体が内倒せず、ボードの真上から踏める感じがしました。まだこのメカニズムは理解しきっていませんが、試行錯誤した結果、次のターンのピークはやりすぎでしたが、ボードが進行方向に進むことさえ邪魔せずに前足で踏み込めれば、やはり谷回りでもズレが殆どなく、山回りまで非常にスムーズにターンするようになりました。

 

今回は、目線を斜面と水平にする!ということがポイントでしたが、目がついていかない!という問題が解決したのはとてもうれしいです。来週まで滑れませんが、スキーも含めてこのアイデアをきっちり整理していきたいと思います!