遠回りしたら見えるものがある

スノーボードやスキー、サーフィンをマニアックに分析したい

Day12,13,14 スキーもスノーボードと同じだった。X脚克服!

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昨シーズンの課題だったX脚

あけましておめでとうございます。今年は1月1日、2日とキロロに家族でスキーでした。両日とも、一番下の娘を両足の間にいれてボーゲンしていたので、3本も滑れば足が限界。しかし、スキーの感覚は戻ってきたので、スノーボードでわかったことをスキーでも試したくて、娘を妻にお願いして、1本だけ上の子どもたちと滑りました。試したかったのは、ターン前半で沈み込んで荷重、後半で立ち上がりながら荷重。ターンの始動は身体を傾けず、重心の移動と荷重で行うことです。これがスノーボードでの安定したターンのポイントだったのですが、これでX脚もなおるだろうとなぜか確信めいたものがありました。昨シーズンにかなり格闘したX脚。特に右回りのターンでよく起こりました。これになると、外足で踏み込もうとしているのに、内足が圧をかけるのを邪魔して、雪面に力が全然伝わっていない感覚になりました。昨シーズンの最後の方には、重心は左右のあばら骨がくっつく線の一番下側あたりで、それを動かすことでX脚がなおりそうだというところまでわかっていましたが、最終的に克服はできていませんでした。

 

中緩斜面で試してみました

チャンスは2斜面。まずは、スノーボードでの感覚をイメトレして、スノーボードの横向きにになっている部分を前向きに修正。斜面に滑り込んでいきました。キロロの雪は非常に軽く柔らかく程よくエッジがかかるので、技術的な欠点もカバーしてくれるような条件でした。逆に、うまく行っているのかどうかを確認しにくいともいえます。

 

スノーボードと同様にまずは重心と頭を持ち上げて(重力の方向に立ち上げ、身体を傾けない)、それを下に落下させるように勢いをつけてターン前半でしっかり荷重を行う。良い雪かつ斜度が少ないなので、このままでもターンは仕上がるのですが、ターン後半では足を伸ばしながら荷重。そしてその力で、重心と頭を持ち上げて(重力の方向に立ち上げ)、身体の傾きをもどす。短い斜面なので左右それぞれ3、4ターンくらいしかできませんでしたが、やはりX脚は起こらず、自然な荷重ができたと感じました。

 

コンディションが良すぎてもわからないのでオーンズで試す

キロロでは少ないチャンスでしたが、かなりの手ごたえを得ることができました。しかし、斜度も緩く、雪も良すぎるので、もしかしたら上手く行っていないのに上手くいったと勘違いしている部分があるかもしれません。そこで、今日オーンズで試してきました。オーンズは雪もある程度硬くてところどころにアイスバーンもあるので雪質は技術を試すのに丁度いいです。急斜面もあります。

 

さて、一本足慣らししてから、まずは急斜面がテストには一番良いので急斜面で試してみました。フルカービングにはなりませんでしたが、非常にいい感じで、間違いなくX脚にならずに、無理なく気持ちの良い荷重によるターンができました。少し斜度が緩くなってきたあたりからカービングにしてみました。これもかなりいい感じでスノーボードに近い加速する感じが得れれるようになりました。ただ、右回りの方は、内足の圧が足りない時がありましたが、まあ、悪くなかったと思います。

 

X脚とはどういうことだったのか

X脚克服のために内足で滑る練習をとかありますが、X脚は内足の問題ではないと思います。X脚を再定義すると「X脚とは重心の上方向と横方向への移動が不十分なまま荷重をしようとするが、その姿勢では荷重ができないため外足の膝で内エッジをたててしまう動き」と言えます。

 

つまり、X脚の原因は、重心が上方向と横方向に動けていないことになります。特に、上方向への移動ができていないと横方向への移動は難しくなると感じています。

 

X脚になる人は、①カカトをあげるような感じでまずは頭と重心(みぞおち)を一度しっかり持ち上げる(重心の上方向への移動)、その後、②身体を傾けようとせず、内足の内エッジの上くらいに重心を落とす(重心の横移動と荷重)、③ターン後半では立ち上がりながら荷重をする、を明確な動きとしておこなってみると良いと思いました。

 

特に身体をターンの内側に傾けることでターンをすると思っている人は要注意です。ターンの内側に自分から身体を傾ける人はX脚になりやすいと思います。スピードが速い時はいいのですが、遅くなってくると傾けるための遠心力が得にくくなります。そうすると横方向への重心移動ができなくなるために、X脚が発生しやすくなります。

 

ターンの内側に傾ける動きは悪影響が大きいです。ターンの切り替えから山回りのエッジングは重力を使ってグリップ力を得るのですが、傾けることによって斜度による力の分解で重力の力は弱まります。傾いた状態から荷重をするには遠心力が必要です。しかし、山回りのエッジングがしっかりできていない状態ではズレてしまって遠心力が得られないので荷重ができません。荷重ができるようになるのは、また重力が戻ってくるターンの後半ですが、ここで荷重を始めてもズルズルターンで流れ落とされた力をストップするだけになってしまいます。上手い人は身体が傾いているじゃないか!とお叱りをうけそうですが、傾けているのではなく、荷重をしていくと遠心力もかかってくるのでバランスをとるために勝手に傾いてくるのです。しかし、これは下半身であり上半身は殆ど傾きません。

 

③のターン後半の立ち上がり荷重は忘れやすいです。これは遠心力と重力の2つが強力になるターン後半において、これらの力をつかって重力方向に立ち上がること、ターン後半のターン弧の調整、そして、過剰になる力を逃がし足に負荷がかからないようにするためです。特に急斜面では非常に強い力が発生しますので、これをしっかり活用し逃がしていくことが、X脚のみならず、斜度によらずスムーズなターンを行うポイントと思います。