仮説:ヒールサイドターンがどうしてもズレる。上下動の罠にハマっているのではないか
久しぶりにいい雪の朝。パウダーも含めて1時間程滑って、子どもの発表会を見てから出張へ。こんな日に限って出張とはついてない。実は、今朝は滑ってみて、納得がいかなかったので、もう少し滑りたかったのです。
最近、目線や前向きの基本姿勢、後足荷重等を試してきて、ヒールサイドターンのズレが、かなり少なくなりました。ここは手ごたえを感じているところなのですが、課題は斜度です。ちょっと急斜面になるとヒールサイドターンでエッジのグリップを感じれなくなるのです。もちろん、ズレも大きくなります。
久しぶりのいい雪でここをもう少しトライしてみたかった、というのが正直なところでしたが、仕事は仕事なので諦めました。ただ、今日は移動日で、数時間電車に乗らないといけなかったので、滑れない分、知識とイメトレをしようと、途中で下記の2冊の本を購入しました。
CARVEは、流石カービングターンの雑誌。アルペンが多いのですが、フリースタイルカービングの解説や写真もありました。CARVING TECHNIQUE MASTERという記事に、カービングの連続写真でポイントがまとめられていたので、じっくり読んでみました。
正直な感想。連続写真は良かったのですが、解説は、骨盤を曲げる等その言葉が言い表していることがよくわからず、全体的に雰囲気しかわからなかったです。骨盤とか股関節とか、イントラの人達が良く使っているので耳にはしますが、骨盤を曲げるとか立てるというのはどういう意味なんだろう。骨盤って曲がったっけ?骨盤を立てるって、何に対して立てると言っているの?というように、なかなか具体的に動作をイメージできなくて困りました。最終的に、文章を読むのは参考程度にして、写真をみて自分で考えることにしました。
結局、モヤモヤ。ということで、スキーの方を読み進めました。スキーの方が言葉がしっかりして説明がわかりやすかったです。面白かったのは、ショートターンの解説で、上下動ではなく、常に圧をかけていくと書かれていたこと。腰高という言葉で説明していましたが、雪面と腰の距離は板の傾きによって縮まりますが、板から腰までの距離は短くせず滑るということでした(腰高)。切り替えは、山回りの板の反発でオートマチックにおこるや、抜重しすぎてはいけないをなんてことも書かれていました。
これを読んで、ハッとしました。急斜面でヒールサイドがうまくいかない時、谷回りでエッジがかまないと感じますが、これは、もしかしたら「上下動」が問題なのではないかと。
つまり、切り替え動作に上下動が入ることによって、フロントサイドターン→上に抜重→エッジの切り替え→ヒールサイドターンというような順番になっていて、この上下動によって、動作の遅れが発生し、さらに、ヒールサイドエッジを雪面にかますための力を失っているのではないかと思ったのです。
この点に注目して、CARVEの連続写真を見ると、分かりました。
上下動に見えるのは、スキーでいう腰高の状態になっているためでした。雪面から腰までの高さを変えないまま、エッジを切り替えると、トゥ側からヒール側に腰が円を描くように移動しますので、これが上下動のように見えているだけでした。
実際は、上下動ではなく、前後移動で重心が前に移動しつつ、腰高によるエッジの切り替えが起こっているだけでした。このことは、抜重が起きないので、ヒールエッジを雪面にかませる力を失いません。逆に、前後移動の勢いを前足に伝える(CARVEでは、小指の根本)ことで、ヒールエッジを雪面にグリップさせることも可能になります。この動作は、無駄が少なく効率がいいので、ハイスピードや急斜面であったりしても、対応しやすそうです。
上下動で抜重。当たり前のように刷り込まれていたことが、実は罠となって、動作の遅れと、力のロスの原因になっていたのではないか。
カービングターンは、谷回りでエッジのグリップを生み出すことが必要不可欠です。連続写真を見る限り、上下動ではなく、前後動と腰高のコンセプトはヒールサイドターンのソリューションになるように感じています。
早く出張から帰って滑りたい!!
それにしても、スキーの方が説明がこなれているように思いました。スノーボードは左右非対称で、ビンディングの角度も人それぞれなので、動作の意識が少しずつ異なると思います。難しいのは承知の上で、丁寧な説明を整備しないと、様々な誤解、難解により動作を改善できない人が置き去りになっていくように感じました。